ブログ:新世紀の経営

顧客は誰か?のパラドックス

顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである。(『マネジメント』エッセンシャル版)

 

この問いの後、ドラッカーは顧客は少なくとも2種類の顧客を持つと言っています。

カーペットなら建築業者と住宅購入者

生活用品なら小売店と主婦

この例えは流通の多重性のことを言っているものですが、「顧客」の中の「ターゲット」を絞り込むことによって、販売のしくみ、つまり、マーケティング手法が明確化してきます。

この流れは、補助金の事業計画書の作成手順として必須のもので、補助金に限らず企業のマーケティングを行う上では必ず行われるものです。

 

しかし、このようにターゲットを明確にしていくことは、得てして全体的、俯瞰的な見方を失ってしまいがちです。イノベーションを実現していくためには、「顧客はお金を払ってくれる人」という考えから離れる必要があります。

 

マーケティングに集中して、イノベーションができなくなることを避けるためにも、「お金を払ってくれる人だけが顧客」という考えを改める必要があります。「お金=顧客」の考えは「事業目的=お金」に直結します。

 

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  5. ドラッカーはマネジメントの機能として、3つを上げています。

代表者プロフィール

井上敬裕
中小企業診断士・社会保険労務士
1972年岡山県生まれ
青果工場の工場長を経て、2012年中小企業診断士として独立、2015年から社会保険労務士として開業

浦安商工会議所経営支援発達事業アドバイザー
浦安市中小企業経営アドバイザー
渋谷区創業支援アドバイザー
東京開業ワンストップセンター開業アドバイザー
横浜市中央卸売市場経営アドバイザー
ふくしま地域産業6次化イノベーター
ミラサポ登録専門家(中小企業経営)
著作「食品表示事故をなくすために」(JTEX2017)